mardi, février 20, 2007

008 Letters from Iwo Jima


評価:★★★★★
第二次世界大戦中の硫黄島の戦いを日本側・アメリカ側と両方の兵士の視点で
描いた2部作のうち、日本側の本作品。


東京とサイパンの間にある硫黄島。
アメリカ軍にとっては東京侵攻のための拠点となりえる場所。
日本軍にとってはどんな犠牲を払っても死守しなければいけない場所。
そこを巡っての攻防。圧倒的な戦力をもつアメリカ軍を前に
5日で終わるとされていた戦いを36日間におよぶ長期戦に
変貌させた日本兵士たちの話。


これはよくある戦争映画とはまた違っていました。
大体はどちらかが正義でどちらかが悪、と描かれていたり
もしくは血まみれの戦闘シーンばかりで目を覆いたくなるものが
多かった中、この作品は兵士ひとりひとりが死ぬと分かっている
戦場においてどんな気持ちだったか、
そのことがうまく表現されています。

そりゃそうだよね、はっきり言って好きで戦っている人なんて
いないでしょ。そりゃあ実際戦場に出ない偉いひとたちは
お国のため、天皇陛下のため、と何でも言えるけれど
すぐ隣で人が死んでいくところにいる彼らにとっては
ただただ国に帰りたい、家族に会いたい、それだけだったんだろうと思う。


一番見ていて許せなかったのが
兵士に自決を命じる指揮官。
手榴弾を自分で抱えて爆発なんて、ありえない。
昔のひとは勇気があった、と思っていたけれど
そんなわけないよね。やっぱり怖かったと思う。
目の前で仲間が自爆していき
上官の手前、自分もしなければ、と思ったんだろう。
怖いにきまってる、泣きたいにきまってる。
なんでそんなことをしなければいけなかったのだろう。

同じ死ぬなら最後まで戦い抜けばいいのに。
このプライドのために自決した兵士の数って
計り知れないんだろうなあ。
もし彼らが残っていれば、もっと戦力もあっただろうに。
指揮官も自分ひとりで自爆すればいいのに。
本当にいつの時代も、一番被害を被るのは普通のひとたちだ。
戦争中だから、そういう時代だったから、仕方ないことなんだけれど。

Aucun commentaire: